IoT(Internet of Things)技術の進展により、住宅内の家電製品、照明器具、住宅設備機器などを連携させて、スマートフォンやタブレット端末、スマートスピーカーで操作するスマートホーム化が進みはじめている。カーテンやブラインドについても、単なる電動化だけでなく、スマートホームを構成する一員として、他の機器と連動して操作できる製品が求められている。
その中で、立川ブラインド工業(株)(池崎久也社長)では、今年4月より、同社が展開する窓まわりの電動製品シリーズ「ホームタコス」と(株)リンクジャパン(河千泰進一社長)が提供するスマートホーム統合アプリ「HomeLink(ホームリンク)」をシステム連携し、スマートフォンから「ホームタコス」の操作を可能とした。
スマートホームの要となる統合アプリ
「HomeLink」とは
「HomeLink」とは、トータルダウンロード数約53万という、スマートホーム業界ナンバーワンの統合アプリである。その特徴は、連携された家電などを、スマートフォンやタブレット端末の画面から直感的に分かりやすく操作できる点だ。連携方法もとても簡単で、IoT対応(主にWi-Fiで接続)の機器の場合は、アプリが自動的に認識しワンクリックで接続することができる。また赤外線リモコンで操作するタイプの機器については、「HomeLink」に対応したスマートリモコンを提供、赤外線信号を学習させることで容易に連携させることができる(赤外線リモコンの窓まわり製品も連携可能)。
この他、リンクジャパンでは、自社製品としてスマートカメラ、スマートLED電球、スマート温度計などを展開(もちろん「HomeLink」への接続は簡単)、さらに家電メーカー(アイリスオーヤマ、シャープ)、給湯機器メーカー(リンナイ、ノーリツ、パーパス)、スマートキーメーカー(美和ロック)、シャッターメーカー(三和シャッター)などの企業との連携を強化するなど、「HomeLink」によるさまざまな機器の操作を実現している。さらにスマートスピーカーに「HomeLink」を登録すれば、音声での操作も可能となる。
まさに、スマートホームの要といえる「HomeLink」。ここに窓まわり製品として加わったのが立川ブラインド工業の「ホームタコス」である。
「ホームタコス」と「HomeLink」のシステム連携
今回、立川ブラインド工業は、「HomeLink」にシステム連携するため、「ホームタコス」との中継機としてIoTアダプター(別売り)を開発した。スマートフォンのアプリ上で「ホームタコス」を操作すると、その信号がWi-Fi経由でIoTアダプターに行き、IoTアダプターから発信されるRF電波によって「ホームタコス」製品の開閉や採光を行う仕組みとなっている(1台のIoTアダプターにつき最大8台まで対応が可能)。
またアプリ上の操作画面についてはリンクジャパンと共同で開発、「ホームタコス」の実際のリモコンに近い形で表示される。ちなみに双方向通信が可能で、「ホームタコス」の状態(例えば、開閉状態、ブラインドの羽根の回転状況など)も表示されるようになっている。
「HomeLink」に対応する「ホームタコス」製品は、電動カーテンレール「トリーチェ」、ロールスクリーン「ラルクシールド」、タテ型ブラインド「ラインドレープ」、木製ブラインド「フォレティア」、デザインブラインド「アフタービート」、調光ロールスクリーン「ルミエ」、調光タテ型ブラインド「エアレ」など。今後も順次対応製品を拡大していく予定とのことだ。
さて、肝心な点は「HomeLink」に連動した「ホームタコス」が、スマートホームの一員としてどのようなことができるようになるのかということだ。
まずはスマートフォンやタブレット端末、音声によって「ホームタコス」が操作できるということが挙げられるが、スマートホーム最大の魅力は、単体ではなく複数の機器を同時に操作できる点にある。
そのポイントは主に3つ。1つはタイマー操作である。例えば、起床時間などに合わせてカーテンやブラインドを開け、照明やテレビの電源を同時に入れる、というように時間を指定しての操作が可能となる。
2つ目は生活シーンに合わせた操作だ。「おはよう」「おやすみ」「ただいま」といったさまざまな生活シーンにあわせて、製品の動作を設定しておくことで、カーテンやブラインドを含めた複数の機器を一括で操作できる。「HomeLink」の画面上からボタン1つで操作でき、スマートスピーカーを経由して音声でも操作が可能となる。
さらに3つ目として、スマート温度計やGPS機能を活用した自動操作である。例えば、室温が28度を超えた場合に、自動でエアコンが作動しカーテンやブラインドが閉まる、あるいは帰宅時に最寄りの駅まできたところで、GPSが作動し、お風呂のお湯張りをはじめるといった操作である。
この他、外出先でもブラインドの開閉が可能で、長期間留守にする場合の防犯対策としても有効だ。
このように、「HomeLink」とシステム連携することで、「ホームタコス」は単なる電動製品からスマートホームを構成する重要な役割を担う存在に進化した。窓まわり市場の新たなニーズを創出する武器として提案していきたい。
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